『エンド・ゲーム―常野物語』(著:恩田陸 集英社)


『蒲公英草紙』→『光の帝国』→『エンド・ゲーム』
いつのまにやら常野物語シリーズ読破になってしまってた。
今作は『光の帝国』の“オセロ・ゲーム”の続編。
まさか続編になっているとは思わなかったので読み進めていてビックリ。見覚えのある登場人物の名前や設定だなあ、と思っていたのでまだまだオレの記憶力も捨てたモノじゃないなと……。
えー、率直な感想、短編のまま終わっていた方がまだ良かった。
突如、母親の昏睡、冷蔵庫に張ってあった番号にかけたら妙に怪しく思えてならないおば様たち、かなりミステリアスな火浦が時子に接触してきたりと途中までは緊迫感があり、読んでいて面白かった。
夫が忽然と消えた拝島家の母娘はいつ裏返されるのか、ということに恐れながら生活する様子も伝わってきた。
読み進めているうちに、次はどうなる?と気になりついついページを捲ってしまうけど、最後の最後に“あれ”の存在や、半永久的に繰り返されるオセロゲームのような“裏返し”といったこともなんとはなしに説明されていたけど、スッキリしない。公園での拝島一家がなんか怖いし(笑)よくわからん展開になってしまった。
ついでに視点が変わりすぎて誰が主人公かよく分からないから感情移入しにくいのも難点に思えた。
時子の友人が巻き込まれて俯瞰した語りで締めてくれたら面白かったかも。
ついでに拝島父は……駄目だこいつ…、早く何とかしないと…みたいなキャラだったので早々にご退場して欲しかったよ。