『秒速5センチメートル』

秒速5センチメートルとは“桜の花びらの落ちるスピード”。新海誠作品4作目。『雲のむこう、約束の場所』は未鑑賞なので『ほしのこえ』以来か。
“桜花抄”、“コスモナウト”、“秒速5センチメートル”と3本の短編から構成されているけど、特定のキャラは全てに登場しているので、長編とも取れるかも。
それにしても風景描写は相変わらず神掛かってるなあ。ノスタルジックな雰囲気満点だし、光の描写なんかも非常にいい。
“桜花抄”で明里が先に転校し貴樹はその後、さらに遠くへと転校が決定したことで、貴樹が明里に会いに行くシーンはもどかしながらも青春してるなあ、て感じがヒシヒシと伝わってきた。
時間がかかりながらも漸く会えることができた二人、その別れの時に明里が「タカキ君なら、一人でも、きっと大丈夫だから」というセリフがあった時から、2人の未来の不安を感じた。つーか、ああ、この2人はくっつかないんだろうなあ、とorz
まあ、2人が夜を越してるところで明里の親はどうしてんだ?なんて思ったが、これは邪推だろうな(笑)
“コスモナウト”は転校してきた貴樹に想いを寄せる花苗視点か。“桜花抄”に劣らず青春しまくりだ!一歩間違ったらストーカーですよ?な行動をとっていた花苗だけど、その健気さがたまらんかった。
貴樹がメールを明里に送信しているものだ思ったら、実は誰に送るメールではないとかどんだけ病んでんだよ。
秒速5センチメートル”では社会人になった貴樹や結婚を控えた明里など学生からその後の様子、てところか。考え方によっては山崎まさよしのPV(笑)
貴樹がIT土方…だと?分かっちゃいたけど明里の相手が貴樹でないのはやっぱ、ちょっとショックだわ。2人が連絡を取らなくなってしまった過程が微妙。いつまでも手紙のやり取りって訳じゃないと思うんだが。高校生になって既に携帯は出ていたし、ポストを気にしていた2人の様子から心にしっかりと互いの存在はあったんだろうから、携帯の連絡先などは教え合ってるだろ、常考
踏切のところでは貴樹はちゃんと明里のことを振り切ることができたんだよな?終わった後は切なさというか虚しさくらいしか残らなかったorz
“桜花抄”、“コスモナウト”まではかなり良かったんだけど、“秒速5センチメートル”でなんだよそりゃ、て感じで落とされて残念。
“桜の花びらの落ちるスピード”。それが遅いのか早いのか分からない速度だけど、確実に進んでいる。それぞれの人生も個人差はあるだろうが、ゆっくりしかし確実に進んでいるということを伝えたかったのか?
つーか、たまにはハッピーエンドで終わらせろ。